小児外科・小児泌尿器科
SURGERY/UROLOGY
一般的に臍ヘルニアは 2 歳ぐらいまでに 9 割前後が自然に治りますが、巨大な臍ヘルニアは、治っても皮膚がのびて余った状態で治り臍の形に不満が残ることもあります。このような巨大な臍ヘルニアは、早めに介入すると正常に近いきれいな形の臍で治せます。
*臍ヘルニアの圧迫治療:生後 6 か月未満の巨大臍ヘルニアには圧迫治療が大変有効です。
当院で圧迫治療を実際行い、出来る方は家でも続けていただきます(多くが 1~3 ヶ月以内に治ります)
停留精巣(ていりゅうせいそう):精巣が陰嚢内に降りずに、途中の位置で止まった状態を言います。精巣が陰嚢内にないと、精巣の温度が高くなり、将来、精子を作る力が落ちて男性不妊の原因になることや通常より悪性化(癌化)することが多いことが知られています。また、精巣が固定されていない(動きやすい)ことで、精巣が捻れる(精巣捻転:せいそうねんてん)になりやすくなると言われています。
移動性精巣(いどうせいせいそう):精巣は下には降りていますが、陰嚢内への固定が不十分な場合に挙上することがあり、停留精巣との鑑別が難しい場合があります。
当院では精巣の問題に関する診察と超音波検査による診断(二次健診)が可能です。また、手術が必要な場合は専門の医療機関にご紹介させていただきます。さらに、手術後の経過観察を行うことも可能です。
こどものおちんちんは、9 割以上が包茎の状態でこどもでは生理的で正常な状態です。ほとんどが成長の過程で改善します。しかし、包皮の先端が狭くておちんちんの先端の尿の出口(尿道口)が見えないと、不潔になり赤くなったり痛くなったりする場合や、膀胱や腎臓に負担がかかる場合があります。
このような場合は治療が必要で、小児は軟膏治療で 8 割程度が改善可能です。
鼠径(そけい)ヘルニア・陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)
・鼠経ヘルニア(そけいヘルニア):足の付け根(鼠径部)にお腹とつながった袋が残りお腹の中の臓器(腸など)が入り込み膨れたり、元に戻ったりする疾患です。袋の中にお腹の中の臓器が入り込み戻らなくなるヘルニア陥頓(かんとん)の危険がありますので、早めの治療が必要になります。診察と超音波検査で診断を行います。
・陰嚢水腫(いんのうすいしゅ):鼠経ヘルニアと同じで、足の付け根(鼠径部)から陰嚢にかけて袋の中に水がたまった状態を言います。陰嚢水腫の 9 割以上が 2 歳くらいまでに自然に治りますが、お腹の中と水の出入りがある(交通性陰嚢水腫:こうつうせい・いんのうすいしゅ)は自然には治らないことがあります。超音波検査で診断し、手術が必要と判断されたお子さんは、希望の専門施設にご紹介させていただきます。
・乳児痔瘻(にゅうじじろう)・肛門周囲膿瘍(こうもんしゅういのうよう)
乳児期(生後 1 か月から 1 歳前)におこる疾患で、下痢やおむつかぶれが誘因となり、肛門の周りに膿がたまることがあり肛門周囲膿瘍と言います。この膿のたまりから膿が流れ出す状態を痔瘻と言います。
外来で切開排膿と創部(おしり)のケアの指導を行い、必要に応じて漢方薬を併用します。正しい治療を行うとほとんどが1から 2 歳までに治ります。
・裂肛(れっこう)
俗にいう、切れ痔のことで、こどもの下血(肛門から出血)の原因で最も多い疾患です。
便秘が原因になり、続くと肛門周囲に突出(見張りいぼ)が出来てきます。逆に見張りいぼが、みられるお子さんは、便秘や裂肛を必ず伴っています。原因になる便秘を改善させて、坐剤(軟膏)を使用して治療します。裂肛と便秘の治療を同時に行います 。
・痔核(じかく)
俗にいういぼ痔のことですが、こどもの痔核は成人と比べて少なく、ほとんどが外痔核(がいじかく)の腫れです。無症状のことが多く、一般的に手術も必要ありません。
こどもの便秘の原因は様々で、治療方法や薬の使い方も年齢(月齢)と便秘の程度や原因に応じて様々です。また、薬で治療が可能でも飲めないと先へ進めません。小さい時から便秘を放置すると身体に様々な悪影響が出ます。お子さんの便秘の状況に合わせた薬の使用や生活(排便)の指導を行います。
主におむつをつけている時期の女のお子さんの左右の陰唇がくっついて膣口が隠れてしまっている状態のことをいい、炎症や感染が原因になると言われています。経験上、この癒合は年齢があがると強固になり、お子さんの羞恥心も出てくることから、放置すると全身麻酔下の手術が必要となります。小さいお子さんは、外来で麻酔なしに処置(左右の陰唇の剥離)が可能です。当院では2歳以下の陰唇癒合は外来で剥離を行います。気になる方は一度ご受診ください。
漏斗胸とは、胸(胸郭)の前方が内側に陥凹している形状のことをいいます。胸部の陥凹は単なる外観の問題のみでなく、凹んだ胸壁による心臓などの内臓の圧迫による症状が問題になります。小児科領域では単なる形の問題として認識されていることが多いのですが、凹みが深いと成長の過程で運動量も増えると圧迫による影響による症状が出現します。前勤務地での治療経験は豊富で、胸郭変形に関する相談は可能です。手術が必要と判断される場合は、専門の医療機関にご紹介させていただきます。
治療や相談も可能で、切り傷に関しては縫合も取り扱います。しかし、診療時間内での対応が不可能な場合やキズの程度や年齢によっては対応ができない場合がございます。まずは、電話でご相談下さい。
生まれつき尿路の狭窄などにより尿の流れが悪いお子さんがいらっしゃいます。水腎症の程度が進んでいる場合や、感染を繰り返す場合は手術が必要となる場合もあります。当院では軽度の水腎症であれば超音波検査や尿検査・血液検査などの定期的なフォローが可能です。手術や詳しい検査が必要な場合は、専門の医療機関にご紹介させて頂きます。
精巣が何らかの理由で急に捻じれる病気です。時間が経つと精巣の温存が難しいこともあるため、緊急手術は一刻を争います。精巣上体炎やそのほかの精巣付属器の捻転であれば手術を要しないこともありますが、鑑別診断は難しいため、診断時点から緊急手術が可能な施設の受診が必要です。当院では電話相談はお受けできますが、少しでも疑わしい場合は専門の医療機関の受診をおすすめ致します。
当院で診察が可能な小児外科および小児泌尿器疾患に関するご相談は承ります。
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健康保険証
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乳児医療証
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母子手帳
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乳児健康診査受診票など
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